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続発性不妊症(二人目不妊)
出産経験はある…が、二人目が来てくれない
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病院では「一度子どもが出来ているのですから、またそのうちできますよ」と様子をみることが多く、様子をみているうちに何年も経過してしまったという方が多くいらっしゃいます。
さらに最近の晩婚化もあり、経過観察で時間が経過するとより高齢になり、より妊娠しにくくなります。 一人目出産経験がありますので基本的にはまた妊娠できる可能性が高いのですが、もう一度、不妊症検査をされることをお勧めします。
出産経験の後、次の妊娠が出来ない原因は複数あります。
人の身体は年齢や状況と共に変化していきます。前回には問題にならなかった子宮内膜症や、子宮筋腫などの婦人科疾患、抗精子抗体、男性不妊などが原因となっている場合もあります。
二人目妊娠の主な原因
※クリックすると説明が表示されます
- ① 前回の出産による体質の変化
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・出産後、体調を崩したり、痩せたりして、貧血や栄養不足になったり、太ったりすることで、血の汚れ、血行の悪さ、栄養の偏りなどが起こり、妊娠しにくい体質になる事があります。
・抗精子抗体(女性が精子受け付けなくなってしまう抗体)ができてしまう場合もあります。
・産後の十分な養生がとれなかったため「気血」の機能が低下した状態になっている場合があります。 - ② 年齢、生活環境の変化
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・卵子の質の低下と卵巣の機能低下は年齢とともに進行。
・夫婦ともに、前回出産時からの生活面、仕事面などの変化によるストレスの増加。
・男性の精力低下、精子の質の低下。(→ 男性不妊) - ③ ホルモンバランス・排卵機能の変化
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・妊娠~出産後、女性ホルモンは大きく変動します。
・産後、生理のサイクルが良くなる人、悪くなる人がいます。
・生理のサイクルが不規則となると性交のタイミングが合わせにくくなります。 - ④ 子宮の状態の変化
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・年齢による子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症、卵巣腫瘍などの婦人科疾患の増加。
・産褥期の子宮内感染、手術や帝王切開による癒着や子宮切開部位の影響などで子宮内の状態が変化。 - ⑤ 卵管の状態の変化
- ・卵管の癒着、閉塞の進行、またクラミジアなどの感染による卵管の詰まり
- ⑥ 持病の変化
- ・出産や年齢によって、もともと持っていた持病が悪化。
- ⑦ 授乳期間の長さ
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・漢方は「母乳=血液」と考え、授乳期間があまりにも長過ぎると、「血」が不足。
・体力、気力も衰弱。
・特に、もともと「血」や「体力」「気」が不足気味の方は、長い授乳期間は要注意。
年齢を重ねると共に焦るのはもっともですが、出産経験があるということは、男女共に妊娠力があるということです。自然妊娠した人は、ホルモン剤などを使った人工的な不妊治療を始める前に、漢方で妊娠しやすい身体づくりに取り組んでみることをお勧めします。
成功した二人目不妊治療の実例
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続発性不妊症(2人目不妊)の症例
- 30代前半
- 女性
結婚2年目で妊娠出産。その後5年間妊娠しない。
現在不妊治療を2年間続け、人工授精を2回したが結果出ず。
基礎体温は正常で二層になっているが、ただ高温期に一度体温が低下する事がある。
ホルモン値に異常はない。
ご主人さんの精子は正常。
冷え性、浮腫、頭痛、肩こりあり。
生理周期28~32日のほぼ正常
排卵痛、おりものあり。生理痛は出産後楽になり、経血の量は減った基本的に健康な方である為、漢方にて少し背中を押してあげる事を目標に良い血を増やす漢方薬。約2カ月後妊娠発覚。
この時すでに妊娠2か月である為、漢方を服用して2週間で自然妊娠。養生薬として服用を続け、無事自然分娩にて出産。 -
続発性不妊(2人目不妊)人工授精の症例
- 30代前半
- 女性
30歳で出産。母乳が異常に出ていた。その後母乳を止めても生理が来ない。
ホルモン剤にて6回生理を来させたが、最近排卵誘発剤を打っても数値が上がらず反応が悪い。
血色悪く、口唇乾燥、冷え性。
無月経、無排卵。エストロゲン低値。
生理周期;20代は28日
30代は32日良い血を増やし、血流を良くする漢方を服用。服用2か月後、人工授精3回目にて妊娠発覚。そのまま漢方を流産予防に服用し、無事出産。漢方一時中断。
その後母乳をやめてもまだ生理が来ず、漢方薬を再開する。