1830年創業 和薬・漢方 本草閣 名古屋鶴舞

アトピー

アトピー性皮膚炎とは?

  • かゆい、痛い、赤い、浸出液がでる、黒ずんできた、半袖の季節が憂鬱、お風呂になんて悪化するからつかれない、粉がふくから黒い服が着られない、清潔にしているのにジュクジュクしてくる…。

    アトピー性皮膚炎を患い、上記のようなつらいお悩みを抱えている方はとても多いのではないのでしょうか。
    皮膚科で頂く塗り薬や内服薬ではなかなか根治せず、良くなってはリバウンドをし、それらを繰り返すうちに皮膚が固く、潤わなくなってくる方も多い事でしょう。そんなお悩みをお持ちの方に、個々人に合わせて作った漢方薬を服用して頂くことで、その症状を軽減できる可能性があります。煎じ薬を飲んで、早い方だと1週間足らずで効果を感じられる方もいらっしゃいますし、また、月を追うごとに徐々に良くなっていく方もいます。

西洋薬と漢方薬の違い・メリット/デメリット

  漢方薬 西洋薬
メリット
  • 赤み、痒みだけにとらわれず、体質から変えられる
  • 種類、手段が豊富にある
  • ステロイドや抗ヒスタミン薬の使用量が減る
  • ステロイドはすぐに皮膚が滑らかになる
  • 抗ヒスタミン薬は、すぐに痒くなくなる
デメリット
  • ステロイドほどの即効性はない
  • 根本的な解決ではない
  • 急にやめるとリバウンドがある

皮膚と、内臓と、漢方

  • 皮膚と、内臓と、漢方
  • 『みんなと同じ様にスキンケアしているのに、なぜ私だけ悪くなるのか』 『皮膚を清潔に保っているのになぜかゆいのか』

    このようにお考えの方は、皮膚のかゆみや赤みを“皮膚だけの問題”として捉えてしまっていることが間違いです。皮膚は内臓の鏡と言われるように、胃腸や肺などの内臓を切り離して考えることはできません。ですので、アトピーの治療を行うに当たって、実際に胃薬として使われる漢方薬を使用したり、また、呼吸器を強くするような漢方薬や、自律神経のバランスを整える漢方薬を、清熱効果のある漢方薬と一緒に使用する、といった事は多々見受けられます。

  • 胃腸の弱い方には胃腸を強くする漢方を。呼吸器の弱い方には呼吸器を治す漢方を。

    たとえば胃腸の弱いアトピーの患者様に胃腸を強くする漢方薬を使用して頂くと、また、皮膚表面の治りが早くなることがあります。これは、“血”と“気”の作用が正常に働いたためと考えます。漢方では胃腸で皮膚を潤わせる栄養のある良い“血”を作り、また、治す力となる“気”が作られると考えますので、胃腸を整えることはかなり重要です。(→ 血とか気って何? 参考:「気血水」

    また、鼻炎や喘息など、呼吸器の弱いアトピーの患者様に、それらを治す漢方薬を使用して頂くとアトピー肌に抵抗力が生まれてきます。これは、肌のバリアー機能となる“衛気”が呼吸器を整えることで養われるためです。 

    このように、漢方では皮膚だけを治すためにお薬をお出しする事は少なく、内臓と共に治療していくことが多いのです。

服用の期間と、薬局に通う頻度

  • 服用の期間と、薬局に通う頻度
  • どうにか少しでも早く良くなりたい…!!
    そう思われて来店されると思いますが、まず始めに頭に入れておいて頂きたいことが一つ。
    それは、焦らずにこまめに通い続けることです。

    できれば新陳代謝の1サイクルである半年間は目安にお続け下さい。
    初めのうちは1~2週間に一度、良い調合のバランスが見つかればひと月に一度は足をお運び頂くことがおすすめです。昨日今日に始まった病気ならばともかく、何か月、何年、と、長い間アトピーと付き合っている場合、血や免疫、身体全体を改善しなくてなりませんので、はじめはマメに足を運んでもらい、薬の調節をさせて頂きたいと思います。

    今までの皮膚の経過、症状の移り変わり、悪化の心当たりなど、出来るだけ細かくお話し頂き、そして、患者様ご自身の分析や傾向があれば、それもお伝え下さい。“それらがすべて一緒の方“は、まずいらっしゃいませんので、同じアトピーでも違った薬となる事は往々にしてあります。より個々の患者様に合わせて漢方薬をお作りできる様、気になる事は何でもお話し下さい。

皮膚科でもらう抗ヒスタミン薬やステロイドと、漢方薬の併用

  • 皮膚科でもらう抗ヒスタミン薬やステロイドと、漢方薬の併用
  • 痒みや炎症があるなら抗ヒスタミン剤、塗り薬としてステロイド、顔には免疫抑制剤。
    皮膚科でこの様に処方される患者さんはとても多く、また、それらを止められずにむしろ強い薬になっていくことに悩んでいる方は少なくありません。

    本草閣では、一度にそれらの薬を止めるのではなく、初めは漢方薬と併用し、そして徐々に西洋薬の方を減らしていき、漢方薬の方に重心を置くようにスライドしていきます。 ゆくゆくは漢方薬の服用量をも減らし、自身の持つ本来の免疫力や保湿のみでコントロールができるよう目指します。また、普段は漢方薬を使用せず、苦手な季節やストレスの多い時期にのみ漢方を服用し、皮膚の状態を維持していくことも可能です。

季節の変化に応じた、漢方薬の使い分け

  • 冬は一般的に乾燥が強くなり、皮膚がかさかさと粉をふきやすく、夏は赤みが増し、ジュクジュクした浸出液が出やすくなります。 漢方では肌のその時々の状態を考慮して使い分けをします。

    例えば、乾燥した冬に「補血タイプ」の漢方を使うと肌に潤いが増してしっとりします。梅雨時や夏に「利水タイプ」のものを使えばジュクジュクしにくくなります。 この様に季節によって変化する肌にも対応することが出来るのです。

  • 乾燥した冬には…

    補血タイプ

    梅雨時や夏には…

    利水タイプ

アトピーと、漢方と、心のケア

ストレスを溜めないことが大切皮膚の状態が悪いと、憂鬱な気分になり、おしゃれも楽しめず、人に会うのが億劫になってしまいます。精神的にも参ってきてしまいやすいのですが、意外と漢方薬でその精神的なストレス、落ち込みを緩和することが出来ます。

漢方薬を飲んでいると、何となく気が楽になる、気持ちが晴れる、といった方もみえます。皮膚のみならず心のケアもすることが出来るのです。気持ちが前向きになると、心なしか、患者さんの治りも良いように感じます。

アトピーと養生

  • アトピーと養生

大切なのは、正しい「生活習慣」
漢方を飲む以外にも、症状を良くしていくためには生活習慣を見直さなければいけません。

正しい生活習慣はできてる? チェックリスト!

  • 睡眠は十分か、またはとりすぎてないか
  • 身体を動かし汗をかけているか
  • 起床時間や食事の時間など、日々不規則になってはいないか
  • 過酷な環境に身を置いていないか

など、一度どんな生活を送っているのか意識してみる必要があります。
とりわけ良く来られるアトピー患者さんのタイプの一つに、ストレスを溜めこみ、そして、食べることで発散している方がいらっしゃいます。チョコレート、ポテトチップス、ハンバーガー、甘いコーヒー、菓子パンなどの味の濃い物を、仕事や学校が終わってから堰を切ったように一気に食べてしまうといった事をしていませんでしょうか。

これらは「湿熱」というしぶとく身体から出ていきにくい熱に変換され、皮膚の症状を悪くさせてしまいます。三度の食事をきちんととり、間食を控え、かつストレスを溜めずにしっかり睡眠をとる、という日々の養生が、漢方薬の服用と同時に必要となりますので、ぜひ心がけてください。

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