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漢方で花粉症ケア2025年03月17日

漢方でできる花粉症対策とは?

花粉の季節が今年もやってきました。毎年、この時期になると、頭がぼーっとしたり、鼻水が止まらなかったり、日常に大きく支障をきたしている方も多いのではないでしょうか?今回は、この厄介な花粉症に対して、漢方でできることをお伝えしていきます。

まず、そもそも、花粉症はアレルギー反応の一種ですよね。

このアレルギー反応に対して漢方薬での対応は大きく2つに分かれます。

 

「①鼻水や鼻づまり、くしゃみ等の症状を改善する、即効型漢方薬

「②根本治癒を目指しアレルギー体質を改善する、長期型漢方薬」です。

 

漢方薬は眠くなる成分が入っておらず、また、体調全体を見て、合うものを決めますので、冷え等、他の気になる症状の改善も期待できます。

花粉症の症状改善

漢方は長期的に服用しないと効かないのでは?と思っていらっしゃる方も多いかと思いますが、実は、今ある症状に対して、対症療法として、早く効く漢方もあります。特に、花粉症や風邪などに使う漢方薬は、即効性を感じる多くの種類の漢方があります。

その一部をご紹介いたします。

 

鼻水、くしゃみには【小青龍湯(しょうせいりゅうとう)】が代表格

一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。この漢方薬の名前の由来ですが、「青」は主成分の「麻黄 」の色を表します。そして「龍」は、「水」と深い関係にあります。 この由来から、体内に余分な水が溜まっている体質の方に向いた処方であることが分かります。

この処方は、体の内部や気道、肺を温め、しつこい水の滞りを取り去る処方です。

冬に薄着をする、冷たいサラダや刺身等の体を冷やす食べ物を食べる、また気温が急激に下がったりすることで寒邪(カンジャ …冬の寒さ、冷えのこと)が体の中に侵入し、同時に水の流れも悪くなる方にオススメです。小青竜湯も病院や市販の粉薬でも手に入りますが、これらでも効果を感じられなかった場合は、煎じ薬を試してみるのも一つの手です。

 

小青竜湯以外にも、花粉症の症状に使用する漢方薬をご紹介します。

【葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)】

汗をかきにくく、鼻が詰まり、肩こりや頭痛のひどい方。節々が痛む方にも。

 

【辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)】

内に熱がこもり、痰も黄色く粘つく、鼻づまりはもちろん、嗅覚も鈍る方に。

 

ご自身の不調に当てはまる漢方はありましたか?症状によって合う漢方は様々ですので、ご自身の普段の症状やいつ悪化するのかなどを、まず観察するところから始めてみてくださいね。

花粉症の根本治癒

根本治癒には体質改善が必要になります。

体質改善とは、そもそも花粉に反応しづらい、アレルゲンに強い身体を作るということです。

そうすると、体内への花粉の侵入を防ぐことができるのです。

 

疲れやすい、食生活が不規則、寝不足では花粉から体を守る「衛気(えき)」が弱ると漢方では考えます。疲れやすい、食生活が不規則、寝不足では体を守る「衛気」が養われません。心当たりのある方は普段から衛気の元となる、

」(食物を消化吸収し、気血を作り出す働き)

」(呼吸器や皮膚からガス交換を行い、また全身へ水を分配させる働き)

」(ホルモン系、自律神経系、免疫系の力を高める働き )

を強くすることが、根本的な体質改善となります。

 

 

それぞれの底力を上げる代表漢方をご紹介します。

 

「脾」の漢方【六君子湯(りっくんしとう)】

:あまり食欲がない痩せた方、むくみやすい方に

 

「肺」の漢方【補中益気湯(ほちゅうえっきとう)】

:手足が重くだるく、眼光に力がなく、声も元気のない方に。

 

「腎」の漢方【八味地黄丸(はちみじおうがん)】

:足腰が冷え、息が深く吸えない方、筋骨が弱い方に。

 

今年、花粉症が辛いなと感じている方は、今のうちから、来年に向けて体質改善をしていきましょうね。

 

来年は快適な春を過ごし、日々のお仕事や家庭、趣味に没頭できるように、コツコツ体調を整えていくことがお勧めです。

 

日々の養生で花粉に負けない体に

漢方薬ももちろん、多いにみなさまを助けてくれますが、日々の養生もとても大切です。日常で意識していただきたい養生法や、手軽に飲めるお茶をご紹介します。

 

 

<日々の養生法>

① 血を汚してしまうと、アレルギー症状を助長してしまう可能性があります。また、体を冷やすと、体本来の力が発揮されず、衛気が弱り、アレルギー症状が強く出ることもあります。

油が多くなりがちな洋食や高脂肪の肉類、乳製品、甘いもの、生もの、冷たいもの、揚げもの、パン、コーヒー、チョコレートなどは避けましょう。

一方で、野菜、魚 ( 特に青魚がオススメ) 、脂肪分の少ないお肉での和食中心の食事は体の負担が少なく、体の衛気がしっかり働いてくれます。

避けたい内容のお食事を召し上がった際は、翌日以降で少し調節する意識を持ちましょうね。

 

② 寒邪に侵されている人は、春の風邪 ( フウジャ …カゼと一緒 に入ってくる良くないもの)にも侵されやすい状況になっています。おすすめは入浴。湯船に浸かることで、リラックスし、血流を良くし、体を温めましょう。

 

③適度な運動を。汗をかくことによって体に溜まった水分を排出させ、また血流がよくなり、花粉症の症状が緩和します。急に激しい運動を取り入れる必要はありませんので、今週末に何か運動をしてみませんか?

 

④不規則な生活は避け、就寝時間を早めにする。人間は寝ている間に体を回復させています。睡眠を侮ってはいけません。体本来の力を呼び起こすためにも、質のいい睡眠を心がけましょう。

 

⑤ストレス対策を。ストレスは本来あるべき免疫力を低下させることがわかっています。生活習慣を整える、友人との会話、趣味の時間、自然に触れる時間など・・・人それぞれに合うストレス解消法があります。焦らず探してみてくださいね。

 

<花粉症に使う民間茶>

花粉症の時期にご紹介することが多いお茶をご紹介します。

菊花茶 :特に目の充血が気になる方

十薬(どくだみ):症状の赤みが強く、普段から吹き出物などもできやすい方。また腸の動きも悪く便秘がちな方。

 

漢方でできる花粉症対策、いかがでしたでしょうか?

こちらのコラムを読んでいただけた方は、ぜひ、来年の花粉症に向けて、日頃から養生や漢方薬を取り入れることなどを意識してみてくださいね。体質改善に力を入れることで、来年こそは快適な春を迎えましょう。

 

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