1830年創業 和薬・漢方 本草閣 名古屋鶴舞

実は、貴方の生活に密着しているのだぞ、漢方!2016年05月02日

「気」のつく身近な言葉について。

身近な言葉に隠れている漢方の考え方

私たちは、久しぶりに会った人などには、「元気?」と声をかけたりしますね。
これは、私たちのコミュニケーションの一つで、非常に大切な言葉です。
他人に対して気遣いをしたり、挨拶の一つとしても毎日のように無意識に用います。

その他、「気」のつく語彙はたくさんあります。
自分自身が前向きになれないときなどには、「やる気がないの」と言うことがあります。
何か頑張りたいときは、「気合」を入れ、情緒の安定した穏やかな人を「気立てのよい人」と表現し、感情が激しい人を、「気性が荒い」と言います。
また、人に限らずその場の空気に対しても使用します。「雰囲気」です。
日本古代の武道の中にも「気」は存在します。「合気道」です。
その他、「電気」「天気」も。
そして、「病気」も!
このような「気」がつく語彙は、約300語以上もあると思われます。
私たち日本人は、生活の会話や表現の中で、「気」を身近に使っていて、この「気」が大変重要な役割を担っていることを自然と学んでいたのです。

気

漢方における「気」とは何か?

では、「気」とは何でしょう?

いざ考えてみると、漠然とし過ぎていてなかなか表現しにくいですね。
形が無いですし、科学的に立証しにくい。
しかし、確かに存在します。
漢方学的には、この「気」を説明できるのです。
気は、精神的にも、機能的にも身体をコントロールして、正常に流れながら全体をまとめています。
よって、「気」が少なくなったりすると、「やる気」が出ません。
スムーズに流れているはずの「気」が、流れなくなると、「気鬱」になります。
「気」が逆流したり、頭に上ったりすると「気性が荒く」なります。
一方、いつも穏やかで「気」が正常に機能していると「気立てが良く」なります。
「気」は、いわばエネルギーのようなものです。
「気」だけで無く、「血」「水」も同様に大変重要視します。
血は、大まかに言うと血液のこと。
水は、血液以外の体液のこと。(汗・尿・細胞内液・消化液・・・)
この2つは、物体として見えるものです。
一方、気は、目に見えません。
「気」は、「血」「水」も動かしているので、ここが正常でなくなると、血液関係に影響が出る、浮腫み(むくみ)が出る、など身体全体に影響が出てきます。

「気」はどのように作られる?

では、そもそも、「気」は、どのように作られるのでしょうか。

それは、漢方では二つあると考えます。
一つ目は、遺伝。先天的なものです。
もともと、遺伝的に「元気」な人と、そうでない人がいます。
これは、両親から受け継いだものなので自分自身では選べません。
ああ、私は先天的に「気」が少ないから仕方ないのか・・・
そう思われた貴方!気を落としてはいけません。
そう、後天的に解決できるのです。

それは、二つ目の、「食事」。
これは、自分自身の気持ちと行動1つでどうにでもなります。
規則正しくバランスの取れた食事は、もともと先天的に「気」の少なかった方を強くします。逆もしかり。
食事をとらなかったり、偏ったり、バランスの悪い食事は、「気」を減少、異常化させ、結果、精神的な「やる気」を失うだけでなく、病気にもつながってしまうのです。

しかし、どんなに食事に気を使っていても、ストレスなど気の異常からの病気になることはあります。
そんなときは、漢方が非常に強い。
漢方処方には、「気剤」と呼ばれる生薬がたくさんあり、それぞれの状態に合わせた漢方処方を服用すると大変良い効果を表します。
もし、西洋のお医者さんに行って検査結果に異常がなかったり、「気のせいですよ、少し調子を見ましょう」と言われたことのある方は、ぜひ一度漢方を飲まれるとよいかもしれません。
漢方では、その「なんとなく体調が悪い」も立派な病気です。
「気」を改善することで体調が改善するかもしれません。

漢方はどうも苦手で・・と感じている方も、このように毎日「気」にふれあっています。
立派に漢方の世界に生きていると言っていいと思います。

漢方が身近に感じていただけたら、次はもう一歩踏み入れ、「気」の存在を肌で感じるものいいかもしれませんよ!

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