安眠を求める方へ ~心身を改善する質の高い睡眠~2024年10月08日
漢方で得る心地よい眠り
最近「不眠」に悩む方が増えています。日本では、5人に1人が、慢性的な不眠で悩んでいるというデータもあるほどです。病院で処方された睡眠導入剤などを服用されている方から、「漢方薬でいい不眠の薬はないかな?」とご相談をいただく事も多くあります。また、秋は気持ちが落ち着かず、悩みやすくなったり、睡眠の質が悪くなる方も多い季節です。今回は漢方での不眠の考え方・漢方薬の選び方・いい睡眠による心身への良い影響をお伝えします。
漢方における不眠の考え方
一般的には、ストレス・食事・環境・薬物・年齢・体の病気などが不眠の原因と言われています。
一方、漢方ではどのように考えるのでしょうか。
漢方では、一般的に言われる、不眠の原因とは、違う見方でアプローチします。
不眠の理由は大きく分けて3つ
①頭に血が多い状態(イライラしやすい方に多いです)
②頭に熱がこもり、足が冷えている(頭寒足熱が健康と考えますが、その逆の状態です、更年期の方にも出やすい症状です)
③貧血のために目が覚めやすくなる(年齢を重ねている、子宮のお悩みなどがある方に多いです。普段からめまい・思考力低下などでお悩みの方)
これらが、どの程度起きてるかを判断して漢方薬を決めていきます。
日常でできる対策
先程の原因は1つだけの場合もあれば、複数が掛け合わせて体の中で生じていることもあります。
ここでは、まず、不眠全般に対応できるような日常の工夫をお伝えします。
①巡らせるための運動
頭に熱がこもったり、血が多く集まっている方は、”全身の巡りが悪いこと”が原因です。体を動かすことで、物理的に滞りを緩和してあげましょう。
②お風呂の入り方
足の冷えを感じる方は、足をしっかり温めることが大切です。睡眠の1-2時間前には入浴を済ませ、冷えをとることで、全身の熱や冷えの偏りがなくなり、眠りやすい体の状態をつくれます。一方で、睡眠直前の入浴では、熱がこもり眠りづらくなる場合があります。早めの入浴で快眠のための体温に調節しましょう。
③お気に入りの寝具、寝室環境にする
睡眠時はリラックスしている状態にしてあげたいですよね。そのためにも、寝室、寝具をお気に入りのものにして、身も心もゆるんだ状態でいられるようにしてあげましょう。例えば、ご自身の肌心地がいいもの、好きな香り・音楽などをご用意してみてくださいね。日常の悩みから自分を解放し、眠りに集中させてげることができます。
漢方・薬膳で得る心地よい睡眠
上記の方法を行った上で、ご自身に合った漢方薬を飲んで頂くことも、快適な睡眠への近道です。
不眠によく使う漢方薬は
柴胡加竜骨牡蛎湯、加味帰脾湯、酸棗仁湯、黄連解毒湯
そして、薬膳で使用する高麗人参も睡眠の質を改善してくれます。
使い分けとしては
・頭に血が上りやすい、熱がこもりやすい方→柴胡加竜骨牡蛎湯・黄連解毒湯
・貧血による不眠の方→加味帰脾湯・酸棗仁湯
を使うことが多いです。
これらに加えて、食材としても使用できる高麗人参も、自律神経の乱れを整えることで、睡眠の質をサポートすることが分かっています。
漢方薬・薬膳など、ご自身の体質に合ったものを使うことで、日々の睡眠の質を上げることができますよ。
また、睡眠の質が上がると、日中の活力が上がり、やりたい仕事や遊び、家庭のことに思う存分取り組める毎日を過ごすことができますよね。
睡眠の質を上げて、
せっかくの休日なのに、疲れて寝てばかり、
大事な仕事の日なのに、寝れずに頭が働かない
などのお悩みから卒業しましょう。